コラボレーション型リーダーシップ

 プロジェクトマネジメントにおいて高いパフォーマンスを上げるチームには、共通の目標を一緒に協力して達成する、チームのビジョンや価値体系が明確である、チームのゴールは測定可能ある、チーム全員が合意する、チームは自主運営される、結果をコミットする、チームが意思決定をする、情報はオープンで「見える化」され共有化されている、チームは変更に対して柔軟である、振り返りセッションにより継続改善がなされる、成果は定期的に評価されコミュニケーションされる、顧客とのコラボレーションがある、成果はプロダクトで評価する、助け合いを促進する、お互い学び合う、内発的モチベーションが高いなどが要求されます。

 これらの要求を満たすためのリーダーシップは、チームの持つ目標を実現するために、指示管理型のリーダーシップではなく、オープンなコミュニケーションをはかり、チーム内の信頼関係を築き、自律性を重視し、メンバー各自の能力をフルに発揮でき、協調して目標を達成する
コラボレーション型リーダーシップが要求されます。

 
コラボレーション型リーダーシップの特性としては、自分の感情を理解し、場面によって感情をコントロールし、他者の感情を共感的に理解して対人関係をうまく処理するリーダーシップの基盤である高い感情の知性(EQ)、目標を達成するために、チームワークと協力によりグループとして相乗効果をあげる共同作業とチームワーク、メンバー一人ひとりの強み弱みを理解し、メンバー同士の相乗効果を引き出しながらチームの目標達成活動を支援・促進するファシリテーション、他者の開発ニーズを読み取り、フィードバックと指導によって他者が成長するよう育成する能力、個人やグループを奮い立たせ、導いていくビジョン構想力、他人にオープンに耳を傾け、明確で的確なメッセージを読み取ったり、伝えるコミュニケーション、意見の対立があることを歓迎し、お互いウイン−ウイン解決になるように導くコンフリクト・マネジメント、新しい考えや方法を受け入れ、変化に柔軟に対応する適応性などです。

 
コラボレーション型リーダーシップを支えるものとしては、元米国AT&Tのロバート・グリーンリーフが提唱し、ピーター・センゲ、スティーブン・コヴィーなどが賞賛しているサーバント・リーダーシップがあります。リーダーは明確な夢やビジョンを持ち、それをメンバーと一緒に実現するためには、まず、メンバーのニーズを最優先することにより信頼を得て、導くやり方で、従来の指示管理型リーダーシップと対極のものです。前グリーンリーフ・センター代表のラリー・スピアーズは、サーバント・リーダーシップ特性として、傾聴、共感、癒し、気づき、説得、概念化、先見、スチュワードシップ、人々の成長、コミュニティ作りの10個に分類しています。サーバント・リーダーシップ特性は生まれつき備わったものではなく、各自自分の現状の特性を自己評価し、向上したい特性を選択して学習と実践をすることによりサーバント・リーダーシップ能力を向上することができ、コラボレーション型リーダーシップを発揮することができます。

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